神話のふるさと宮崎
神話を知る

神々の息づかいを間近に感じる

神々の声が今も聞こえるよう「神話の里」で安らぎに包まれる
天孫降臨の地・高千穂町で、「神々の里」といわれる雰囲気を存分に体感できます。高千穂町だけでなく、同じく天孫降臨の地といわれる二上山のある五ヶ瀬町も併せて紹介します。農村民泊で、山間の集落に流れる空気と、ゆったりした時間も味わってほしいルートです。
ストーリー
イザナキノミコトの禊によって生まれた太陽神アマテラスオオミカミとその弟スサノオノミコトですが、弟の悪行のため、アマテラスは天岩戸に隠れてしまいます。世の中は闇に包まれ、八百万の神々は、アマテラスに岩戸から出てきてもらうため、「天安河原」で話し合いました。岩戸の前でアメノウズメが舞うと、神々は拍手喝采。様子を確かめるために岩戸を少し開いたアマテラス。その瞬間、タヂカラオノミコトが岩戸を投げ飛ばし、この世に光が戻ったのです。高千穂に伝わる神楽は、この時のアメノウズメの舞がはじまりと言われています。 アマテラスは、地上界を統べるため、御孫ニニギノミコトを遣わします。高千穂町には、神々が天上界を遥拝した「高天原遥拝所」や、水種を運んだと伝わる「天真名井」などに天孫降臨の逸話が伝わります。高千穂が「天孫降臨の地」と言われる所以です。
宮崎市からスタート地点まで
■車で
宮崎自動車道宮崎ICから清武JCTを
経由し東九州自動車道、延岡JCTから
九州中央自動車道へ入り、蔵田交差点
まで。国道218号を通り、全約2時間半。
九州自動車道熊本ICから御船ICへ
。国道445・218号を通り、全約2時
間。
■バスで
延岡バスセンターから高千穂バス
センター行きで約1時間20分、終点
下車後、タクシーで約10分
熊本駅から高千穂バスセンター行
きで約2時間半。
国見ヶ丘 車で約10分 高天原遥拝所・天真名井 車で約5分 高千穂峡 車で約2分 高千穂神社 車で約20分 天岩戸神社・天安河原 車で約40分 夕日の里 農村民泊 車で約15分 三ヶ所神社
神秘的な雲海からのご来光に願う
国見ヶ丘
神々しい朝日を望める絶好のポイント。高千穂町内を見下ろす丘は、神武天皇の御孫タテイワタツノミコトが九州平定の折、国見をしたと伝えられる場所です。今もその像が町内を見下ろしています。幻想的な雲海の名所としても名高い場所。秋から初冬の快晴無風の冷え込んだ朝、発生した霧が町を覆い、運がよければ、雲の上からご来光を望む神秘的な景色を見ることができます。
住所 高千穂町国見ヶ丘
フォト&ワンポイント
雲海から上がる御来光が見られるのは、9月末から11月あたりまで。晴れた日の盆地の風景も美しく、絶好の撮影ポイントです。
タテイワタツノミコトが従者を伴い、九州平定へと向かったと言われています。
大自然がつくり上げた渓谷美
高千穂峡
阿蘇山系の噴火活動で流れ出した溶岩が数万年かけて侵食され、ダイナミックで美しい渓谷美が生まれました。高さ100mにもなる柱状岩の壁から水がとうとうと流れ落ちる「真名井の滝」は国の名勝・天然記念物。7~8月中はライトアップされ、秋は紅葉が彩ります。ボートに乗ると、真名井の滝のすぐ下まで近づくことができ、川面から見上げる光と影が織り成す渓谷美は大迫力です。
住所 高千穂町三田井御塩井  TEL 0982-73-1213(高千穂町観光協会)  時間 8:30~16:30
休日 河川増水時は運休  料金 1艇3,000円に、乗船人数に応じた料金(小学生以上1名につき1,000円、未就学児1名につき500円)がかかります。
フォト&ワンポイント
おのころ池から上の岸壁を見上げると、三日月形の「月形」が見られます。スサノオノミコトがお詫びの証に彫ったと伝わっています。
悠久の時がつくりだした大自然の景観は、見事としか言いようがありません。四季折々、どの季節の風景も美しく、心に残ります。
ボートからの景色も見どころです。カモたちと戯れたり、ほかのボートの方と協力したり、思いがけない楽しみも。
古来から守られる高千穂の総社
高千穂神社
高千穂八十八社の総社であり、約1800年前に創建されたといわれます。ニニギノミコト、神武天皇の御兄・ミケヌノミコト一族をを祀ります。境内には、国指定重要有形文化財となった社殿と鉄造狛犬一対、2本の杉の根元が一体となった夫婦杉などがあり、本殿の彫刻も見事です。神楽殿では毎夜(20:00~21:00)、高千穂神楽が舞われ、気軽に神楽の舞を見ることができます。
住所 高千穂町三田井1037  TEL 0982-72-2413  料金 高千穂神楽観覧 1,000円
フォト&ワンポイント
本殿横に堂々たる姿を見せる夫婦杉。根元を、手を繋いで3回周ると、仲睦まじくいられるといわれています。
本殿の側面に周ると、数々の見事な彫刻を見ることができます。特に向かって右手側の奥にある鬼八とミケヌノミコトの彫刻は必見です。
神楽の季節以外の時も、夜神楽を堪能することができます。神楽33番の中で、見どころの多い4つの舞を楽しめます。
天孫降臨の神々が故郷・天上界を拝んだ丘
高天原(たかまがはら)遥拝所
天孫降臨をした神々が降り立って地上界が造られる前には、アマテラスオオミカミが治めた天上界が存在し、高天原と呼ばれていました。「高天原遥拝所」は「くしふる神社」の南に連なる小高い丘で、神々が天上界を遥拝した場所と伝わります。神々も故郷を思って見上げたのでしょうか。
住所 高千穂町三田井
フォト&ワンポイント
天上界・高天原の方向を向いていると伝わります。かつては木々が茂っておらず、見渡すことができたのかもしれません。
なだらかな丘の上が遥拝所です。階段下には、神武天皇の兄弟ら4人の皇子が誕生したと伝わる四皇子峯があります。
天上界の水種から移した水が湧き出す
天真名井(あまのまない)
ケヤキの根元からこんこんと水が湧き出で、その上に祠が祀られています。ニニギノミコトが降臨した際に、水がなかったこの地に、高天原から水種を運んだと伝わります。どこまでも透き通った湧水は、御神水として今も地元の方々に大切にされ、信仰されています。
住所 高千穂町三田井
フォト&ワンポイント
こんこんと水が湧き、時に、ぼこっと大きな音を立てます。木の根が守り、どこまでも、不思議なほど透明です。
ひしゃくが用意されており、水をすくっていただくことができます。
水源を見守るように祠があります。祠の周辺にも巨木があり、天真名井全体を包み込んでいるようです。
神が隠れた天岩戸を拝観できる
天岩戸神社・天安河原
太陽神アマテラスオオミカミが隠れたという洞窟・天岩戸を御神体としています。西本宮の裏手に遥拝殿があり、社務所に申し込むと、渓谷を挟んで対岸に見える天岩戸を拝観できます。岩戸川沿いには、世の中が闇に包まれた時に神々が話し合ったという「天安河原」があり、今も願いをこめて石を積む人が絶えない場所です。パワースポットといわれ、神秘的な空間が広がっています。
住所 高千穂町岩戸1073-1  TEL 0982-74-8239
フォト&ワンポイント
神聖なパワーがあふれる参道。こちらには西本宮が、岩戸川を隔て徒歩7、8分ほどの場所に東本宮があります。
西本宮より徒歩10分ほどの場所に、神々が集った天安河原があります。すぐ目の前に岩戸川が流れ、神々しい雰囲気をたたえています。
願いをこめた多くの人の石積み。今も参拝の方が多いところです
心通わせる「田舎に泊まろう!」
夕日の里 農村民泊
五ヶ瀬町の桑野内地区は、「夕日の里」と呼ばれるほどの美しい夕日と、目の前に広がる茶畑、涅槃像のように見える阿蘇の山々の風景が魅力です。その魅力を発信しようと、2006年7月から農村民泊がスタートしました。農家に泊まり、農業の体験を通して感じる地元の人との温かい交流と、地どれの新鮮な食材を使った郷土料理が人気を呼んでいます。現在、10件が登録しています。
住所 五ヶ瀬町桑野内  TEL 0982-82-1200(ごかせ観光協会)
料金 1泊2食付5500円、3歳~中学生4500円
フォト&ワンポイント
茶畑を照らす夕日が美しいと「夕日の里」といつしか呼ばれるようになりました。集落が真っ赤に染まります。
桑野内地区にある「五ヶ瀬ワイナリー」からの眺め。空気が澄んでいると、阿蘇の山々が頭を右にした涅槃(ねはん)像のように見えます。
家族の一員として、一緒に食卓を囲みます。訪れた人は皆“家族”。出発の時は「行ってらっしゃい」と送り出してくれます。
本殿の見事な彫刻群は一見の価値あり
三ヶ所神社
天孫降臨の地と伝えられる二上山の麓にある祠を移したと伝わります。本殿は、300年前に1本のケヤキから建てられたもの。史記の一場面や、仙人、霊獣、植物など74体もの彫刻が本殿をぐるりと取り囲み、繊細なワザに驚くばかりです。中には獣神・海馬(脳をつかさどる器官)の彫刻もあり、受験生に「海馬守」が喜ばれています。4~5月は、1万2000本のシャクナゲが咲き誇り、ピンクの花々に包まれます。
住所 五ヶ瀬町三ヶ所8736  TEL 0982-82-1513
フォト&ワンポイント
素晴らしい彫刻
一つ一つ丁寧に見ていきたくなる、素晴らしい彫刻。緻密で迫力があります。
三ヶ所神社 奥宮
二上山男嶽の九合目に「三ヶ所神社 奥宮」があります。岩肌に張り付くように建ち、下にある駐車場から15分ほど上っていきます。
おすすめ立ち寄りスポット
食
天岩戸温泉茶屋
天岩戸神社近くの温泉に隣接する茶屋。地元のお母さんたちが作る芋あんだんごや、高千穂神楽で氏子たちが食す、鶏とゴボウの載った地粉のうどんなどがオススメ。
住所 高千穂町岩戸58
TEL 0982-76-1213
時間 11:00~17:00
休日 水曜日
遊
高千穂淡水魚水族館
玉垂の滝の湧水を利用し、五ヶ瀬水系に棲息するヤマメや世界の淡水魚など約100種を展示。幻の魚アカメ、ニジマスの突然変異の貴重な金マスも見ることができる。
住所 高千穂町向山60-1
TEL 0982-72-2269
時間 9:00~17:00
休日 年末年始
料金 高校生以上300円、小中学生200円
食買
がまだせ市場
「がまだせ」とは方言で「がんばろう」という意味。名産の高千穂牛をはじめ、地どれの野菜や卵、加工品などが並ぶ。レストランでは、ステーキや焼肉がいただける。
住所 高千穂町三田井1099-1
TEL 0982-72-5002(むらなか案内所)
時間 直売所・ミートセンター9:00~18:00、レストラン11:00~LO14:30、17:00~LO20:30(夏場の変更あり)
休日 第2水曜、直売所は不定)
食買う
五ヶ瀬ワイナリー
夕日の里・桑野内を見晴らす高台にあるワイナリー。物産館やレストランもあり、地元の食材を使った料理と五ヶ瀬ブドウ100%のワインを楽しむことができる。
住所 五ヶ瀬町桑野内4847-1
TEL 0982-73-5477(レストラン0982-73-5470)
時間 9:00~17:00(レストラン11:00~LO14:30)
休日 レストラン、物産館は水曜日、ワイナリーは年末年始
このページのトップへ